Last Updated on 01/12/2024 by てんしょく飯
2023年3月。阪神との強化試合を控えた侍ジャパンのナインは大阪の焼肉店に結集していた。肉を頬張り、杯も進む。世界一奪還に向け英気を養うその前に、一同の矛先は“世界一の通訳”に向かい――。
「野球に携わる仕事をしたい」日ハムの通訳に採用され道が開ける
10年間で総額7億ドル(約1015億円)というスポーツ史上最高額でドジャース移籍が決まった大谷翔平(29)。彼を献身的に支え続けているのが専属通訳の水原一平氏(38)だ。
北海道苫小牧出身の水原氏は、6歳のときに和食料理人の父・英政さんがアメリカで店を開くことになったため、一家で渡米。現地で大学まで出た。
「野茂英雄のファンで試合観戦に行っているうちに『野球に携わる仕事をしたい』と思うようになったそう。09年のWBC決勝戦でイチローが放った決勝打を見て、さらに野球の虜になった」(スポーツ紙記者)
しかし、大学を卒業してからは商社で酒の販売や飲食店でホールのアルバイトをしていたという。当時の時給は8〜9ドルだった。
転機が訪れたのは12年、27歳のとき。日ハムの通訳に採用され道が開ける。
「フランクな関係から信頼を築いていくのが水原流。沖縄キャンプでチームに打ち解けられないメンドーサをスナックに連れ出しては肩を組んでカラオケを熱唱していた」(日ハム番記者)
通訳だけでなく“二刀流”以上の活躍で大谷を支えた
通訳としてキャリアを築くなか出会ったのが大谷だった。18年、大谷がメジャーに移籍すると水原もエンゼルスと契約し、再びアメリカに渡る。
次々記録を塗り替える大選手を通訳としてだけでなく、運転手、キャッチボール相手、用心棒まで“二刀流”以上の活躍で支えた。エ軍は21年11月、水原に「最優秀通訳賞」を贈った。
そんな“世界一の通訳”も大谷とともにドジャース移籍が決まった。相棒の超高額年俸が話題だが、本人の収入も気になるところ。
侍ジャパンの決起集会で酔った選手に年収を聞かれ…
スポーツライターの友成那智氏が語る。
「球団職員の通訳として支払われるのは10万ドル(約1400万円)が相場。これに食事や遠征の手当てがついて15万ドル(約2000万円)くらいではないか」
これが大方の見方だが、実は水原氏の収入が明るみに出たのが冒頭の場面。
翌日に阪神との強化試合を控えた3月5日。侍ジャパンのメンバーは大阪市の焼肉店「明月館 上本町本店」で決起集会を開いた。大谷はもちろん、ダルビッシュ有や吉田正尚、山本由伸など日本球界屈指のトップ選手約30人が集まった。
「まずは阪神をボコボコにしましょう」
大谷の乾杯で幕を開けた宴。約4時間で肉は150人前、米は30合が店から消えた。注文の伝票の厚さは15センチにもなったという。酒も進み、酔いが回ると選手たちの話題は水原氏の年収に――。
決起集会に参加していた若手選手の一人が明かす。
「酔った勢いで選手の一人が『一平、いくら貰っているんだよ?』と絡みました。水原さんは『いやいや』といなしていたが……」
やがて質問攻めに屈し、こう自供した。
「よ、4千万から6千万円の間ですよ……!」
相場を大きく上回る金額に選手からは「お〜!」と歓声が上がったという。
移籍で“基本給”が跳ね上がった可能性も
すでに通訳史上最高額(?)を手にしている水原氏だが、今回の移籍でさらに上振れする可能性も。
「争奪戦となったことでド軍が水原も高待遇で迎え入れると契約条件に入れた可能性があり、“基本給”が跳ね上がったかもしれない。大谷個人とは年俸の約2%の報酬を払う契約を結んでいるとされています」(友成氏)
雇い主は10年で1000億の契約。そこから2%の報酬を受け取るのだとすれば、水原氏の年収は2億円を軽く超えるかもしれない。
彼が訳す言葉はまさに金言なのだ。
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