Last Updated on 02/17/2024 by てんしょく飯
「ゼロではない」──再結成の可能性について問われた彼はそう答え、多くのファンに5人が再び集結する日を夢見させた。いままさに“その日”への機運がかつてないほどに高まっている。古巣が再始動するこの4月以降、5人の周辺が大きく動き出す。
熱気あふれるエンターテインメントの街、東京・六本木。その一角で慌ただしく人や物が出入りし活況を呈すあるビルには、まもなく200人近いスタッフたちが勤務し始めるという。
STARTO ENTERTAINMENT
新生ジャニーズとも言える「STARTO ENTERTAINMENT」(以下、スタート社)が、同ビルにて、この4月から本格的に始動する。ジャニー喜多川氏(享年87)の性加害問題からの再出発を図る同社は、福田淳社長の舵取りの下、芸能界の悪しき慣習やしがらみにとらわれない経営を目指す。各業界からも大きな期待がかけられているなか、新体制の目玉として噂されているプロジェクトがある。
「いま一部の芸能関係者の間で、SMAPの再結成が、強い現実感をもって語られています。彼らがもう一度集結すれば話題になり、大変な熱狂を生むことになる。日本の芸能界の閉鎖性を批判し、“SMAP再結成容認派”の福田社長だけに、現実味を帯びています。
実は、福田社長と誰より早く面談した木村拓哉さん(51才)とスタート社との契約に関して、まもなく決着がつくとされています。これこそが、SMAP再結成の可能性が絵空事ではないといわれる最大の理由なんです」(芸能関係者)
現状、木村が籍を置く「SMILE-UP.」社に木村の契約について尋ねると、「契約に関するご質問に関しましては、お答え致しかねますので、何卒ご理解を頂けますと幸いです」と回答した。2016年末の解散から7年が過ぎたいま、5人の関係はまったく新しいものに変わりつつある──。
木村の契約問題に触れる前に、SMAPをめぐる最新の動きを追っておこう。最近になって、複数のテレビ局幹部がスタート社に「SMAP復活」を働きかけているという。
「なかでも最も前がかりなのがフジテレビだそうです。フジのバラエティー班には稲垣吾郎さん(50才)、草なぎ剛さん(49才)、香取慎吾さん(47才)を引き連れる形で旧ジャニーズ事務所を退所した元チーフマネジャーをいまも敬愛するスタッフが多く、かつて高視聴率を誇った『SMAP×SMAP』の“一夜限りの復活”などを画策する動きがあります」(テレビ局関係者)
フジの対抗馬とみられるのが、テレビ朝日。
「長年、フジの音楽番組のプロデューサーを務め、旧ジャニーズ事務所とも太いパイプを持つプロデューサーがテレビ朝日に電撃移籍するという話があるんです。テレ朝は東京・有明埠頭に『東京ドリームパーク』という地上11階、地下1階の複合施設を2026年に開業する予定ですが、そこには旧ジャニーズタレント専用の“ジャニーズ劇場”が常設されると報じられました。
フジから招聘するプロデューサーはこの新事業を担当するといわれ、彼の辣腕で新劇場のこけら落としで、SMAPが登場するプランが噂されています」(前出・テレビ局関係者)
過去、再結成の可能性がまったくなかったわけではない。「最大のチャンス」とみられていたのが、コロナ禍を経て開催された東京五輪・パラリンピックのときだ。国家的イベントの顔としてSMAPを求める声もあり、財界の大物も動いた。
《夢の実現のために怨讐(おんしゅうーうらみ)を忘れ、パラリンピックまでの期限付きでSMAPの再結成を願いたいものだ》(原文ママ)
2019年9月、日本財団会長の笹川陽平氏(85才)が自身のブログにこう綴り、関係者を驚かせた。
「日本財団は、2021年の東京パラリンピックを支援した『日本財団パラリンピックサポートセンター』の母体で、稲垣さん、草なぎさん、香取さんの『新しい地図』は同センターのスペシャルサポーターに就任しました。政界にも強い影響力があり、SMAPの元チーフマネジャーの後ろ盾ともいえる笹川会長の異例の要請により、再結成の機運が最高潮に高まりました。
実際、木村さんたちにも声がかけられたそうですが、このときはまだ調整がつかず、5人が勢ぞろいする夢はついえたのです」(前出・芸能関係者)
「木村の話」がすべてカットされた
1988年に結成され、1991年にCDデビューしたSMAP。トップアイドルとして平成の時代を駆け抜けた彼らの解散が報じられたのは2016年1月だった。報道後、ダークスーツに身を包んだ5人は『SMAP×SMAP』の生放送に出演して解散騒動を謝罪した。木村を除く4人のメンバーの表情はうつろで生気がなく、草なぎのこの発言が世をざわつかせた。
「今回、ジャニーさんに謝る機会を木村くんが作ってくれて、いまぼくらはここに立てています。5人で集まれたことを安心しています」
後に“公開処刑”と揶揄された生放送でメンバーのいびつな関係性が明らかになり、グループは空中分解。一旦は活動休止という案も浮かんだが、ジャニー氏らの説得も虚しく、2016年末に解散。木村と中居正広(51才)以外の3人は、事務所も離れた。
「当初は5人で独立する計画もあったようですが、木村さんが最後まで首を縦に振らなかった。中居さんは関係者に“木村に裏切られた”と漏らし、『新しい地図』の3人、とりわけ香取さんと木村さんの遺恨も噂されて、4対1の構図があらわになりました」(別の芸能関係者)
これ以降、SMAPを巡っては「4対1」の対立軸で語られることが増えた。
「短絡的な声に、木村さんは苦しめられました。もちろん彼の言動には理由があります。
事務所の大黒柱になっていたSMAPが全員抜けることで、ダメージを受ける人があまりに多すぎると考えたのです。後輩や一緒に仕事をしてくれる関係者たち、家族もそうです。ただメンバーの不満も理解できる。独立に前がかりになる4人を引き留め、『5人でSMAPを続けよう』と説得したものの溝は深く、最終的に袂を分かつことになったのです」(前出・別の芸能関係者)
一度入った亀裂の修復は困難だった。2020年2月には、共に事務所に残った中居が退所を発表。会見を開いた中居は記者から「木村さんへの思いは?」と聞かれて、こう答えた。
「思いがあって伝えたいことは直接、お話しするんじゃないかな」
この発言からこれまで、中居と木村の対面は公になっていない。
「中居さんの中では、最後まで木村さんとのわだかまりは解けないままでした。実際、この会見以降、中居さんはテレビなどで“木村”とさえ発言したことがないので、徹底していますよ」(前出・テレビ局関係者)
だが、2022年に中居は命にかかわるほどの大病を経験し、昨年、古巣である旧ジャニーズ事務所は性加害騒動に見舞われた。自身や世の中が大きく変わる中、離れ離れになったSMAPのメンバーの距離感にも変化が生じている。昨年4月30日、中居が松本人志(60才)とMCを務める『まつもtoなかい』(フジテレビ系)に、香取がゲスト出演、約6年半ぶりの共演が実現した。
「番組では2022年12月に中居さんが体調を崩して2度目の休養に入った際、香取さんが『会えませんか?』と連絡して、香取さんのアトリエで2人だけで会ったことが明かされました。また中居さんの闘病中、2か月にわたって香取さんが毎日連絡をしていたことも明らかになり、2人の強い絆に視聴者は感動しました」(前出・芸能関係者)
もうひとつ注目を集めたのが、番組で木村の話題が一切出なかったことだ。このとき、多くのファンは4人が事務所から独立してテレビでの共演が実現しても、木村との関係性は変わらないのかとため息をついた。しかし、事実は異なる。あるフジテレビ関係者が明かす。
「このとき、香取さんと中居さんは木村さんのことを話し、松本さんも含めて大いに盛り上がったそうなんです。ついに雪解けかと思われたのですが、最終的にはすべてカットされました。そこには中居さんの考えもあったそうです。慎重な中居さんだけに、香取さんと自分が木村さんを話題にすることの影響力が頭をよぎったのでしょう。
もっとも、番組放送前の3月にジャニー氏の性加害問題がBBCに報じられ、4月にもカウアン・オカモト氏が外国人特派員協会で会見を開くなど、当時の事務所には逆風が吹いていて、中居さんが木村さんに触れるタイミングとしては最悪ではありました」
木村をめぐるやりとりがカットされたことについて、フジテレビは「番組制作の詳細についてはお答えしておりません」とし、香取の所属事務所は「製作に関するご質問については、『フジテレビ』にお問い合わせください」と回答した。だが、この頃、散り散りになっていた5人のパズルのピースが、元に戻りつつあるのは確かだった。
うちらの中では財産なんだよ!
再結成への意外なキーマンと目される人物がいる。嵐の二宮和也(40才)だ。二宮は前述の『まつもtoなかい』において、活動休止を発表した松本に代わり、リニューアルした『だれかtoなかい』で中居とともにMCを務めるだけでなく、木村とも親交が深い。
「“友達不要”と公言して孤高のイメージが強い二宮さんですが、木村さんを慕っており、インドア派の彼が木村さんの自宅を訪ねたり、悩みごとの相談までしているそうです。近い将来、『だれかtoなかい』に木村さんが出演して、中居さん、二宮さんとの夢の3ショットが実現することを期待する声は実は小さくないんです」(前出・フジテレビ関係者)
実際、木村のSMAPに対する思い入れは人一倍強く、2022年2月のソロツアーでは『夜空ノムコウ』や『らいおんハート』などSMAPの名曲を熱唱したほどだ。木村は、そのツアーについて触れたネットニュースに、過去のヒット曲を「SMAPの遺産」と書かれたことに猛反発して、「遺産じゃねえよ! うちらの中では“財産”なんだよ!」と、ライブ中に怒りをあらわにした。
「この発言にSMAPファンは歓喜しました。特に“おれ”ではなく“うちら”と言ったことに、再結成への希望を持ったファンは少なくありませんでした。木村さんは何の計算もなく、このような発言はしませんからね。去年、木村さんが草なぎさんと会っていたことが報じられましたが、ほかのメンバーとも水面下での接触はあったそうなんです。わだかまりも時間が解決してくれたのでしょう」(前出・芸能関係者)
そして、まもなく木村が決断することになるのが、スタート社との契約問題である。同社とのエージェント契約第一号になるとみられていたが、独立の可能性も出てきたという。
「7年前はこれまで育ててくれた事務所への恩義や抱えていた仕事への影響を考慮し、残留することを選択した木村さんですが、あのとき果たせなかった“5人全員が古巣を離れる”ことで恩讐を超え、再結成に挑めるという考えになったのかもしれません。
木村さんの契約問題が長引いた背景には、SMAP再結成が関係しているのは間違いなく、どんな結論になろうとも、それは5人にとって“前進”のはず。いまの木村さんは、再結成に向けて、完全に準備ができている状態だと思いますね」(前出・別の芸能関係者)
メンバーの雪解けが近づく中、最後のカギを握るのが中居だ。SMAPのリーダーで木村と並ぶツートップでもある中居がどう判断するかに、SMAPの行く末がかかっている。
「中居さんは『新しい地図』の3人が独立した後も事務所にとどまり、ジャニーさんが亡くなってから退所するなど慎重かつ筋を通す人です。いつ、SMAP再結成に向けた動きを本格化させるのがベストなタイミングなのか、周囲や後輩たちへの影響も含めて注意深く検討していることでしょう。
ただ、彼も50才を過ぎ、大病も経験しました。ファンや関係者の期待は痛いほど感じており、決断にいたずらに時間をかけることはしないはずです」(前出・芸能関係者)
今年はSMAPと縁が深いオリンピック・パラリンピックがあり、2026年にはデビュー35年の節目を迎える。自然災害や世界での戦争などで多くの人が疲弊する現在、あの5人が再び並び立って、国民を元気づける機は熟したといえるだろう。
約4年前の退所会見でSMAP再結成の可能性について「ゼロではない」として、可能性は「1から99%の中」と語っていた中居。かつてないほど再結成への機運が高まり、カウントダウンが進む中、最後の1%は彼の手に委ねられている。
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