Last Updated on 08/05/2024 by てんしょく飯
熱戦が続くパリ五輪は、連日ありとあらゆる話題が提供されている。無論、アスリートたちの活躍を伝えるニュースが大半を占めているが、大会を支える環境に対してのネガティブなトピックも少なくない。
利用者から苦情が殺到し、問題視されているのが、選手村の環境だ。
82棟約7200室を配備された選手村は、「史上最も環境にやさしい大会」を目指したメガイベントにふさわしく、あらゆる工夫が凝らされた。ただ、利用するアスリートたちからはクレームが続出。とりわけ食事は運営側がオーガニック製品や地元の農産物を中心に提供。ビーガンメニューが充実している一方で肉料理が不足し、「控えめに言って最悪」(ホッケー男子ドイツ代表のクリストファー・リュール談)と断じられる状況となっている。
大会が熱を帯びる中で選手村への不満は尽きない。競技場との兼ね合いからパリ郊外のホテルで暮らす英男子ボート代表のオリー・ウィン=グリフィスは、母国のスポーツメディア『Sportsbeat』で「僕らも選手村には行った。だけど、本当に気が狂いそうだった」と率直な感想を打ち明けている。
「メンタル的にきつかったよ。最初は『みんなと村にいられたらいいのに』と思っていたけど、1時間後には『ここにいなくて本当によかった』と思うようになった。僕らが泊まるホテルの方は雰囲気もずっと落ち着いているし、コロナの心配も少ないのは本当にいいことだ」
こうした選手たちの不満に対して英オリンピック委員会は、早々と対策を打った組織の一つだ。理事を務めるアンディ・アンソン氏は「抜本的に見直す必要がある。選手たちの需要が想像をはるかに超えている」とし、食事提供のために特別にシェフを雇ったことを公表した。
こうした対策が取られてもなお、何かと問題が起きる今大会の選手村。至れり尽くせりとは言い難い環境下で選手たちには、何よりもタフであることが求められそうだ。
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