Last Updated on 02/15/2024 by てんしょく飯
世界的指揮者・小澤征爾さん(享年88)が2月6日に心不全で亡くなった。世界中に悲しみが広がる中、30億円をくだらないともいわれる征爾さんの遺産をめぐる家族の“不協和音”について週刊誌が報じている。
征爾さんにとってこの十数年は病との壮絶な闘いの日々だった。
「2005年に白内障の手術を受け、2010年には食道がんが見つかり、治療に専念するために1年近く活動を休止しました。その後も2015年に腰の骨を折る大けがを負い、2018年には大動脈弁狭窄症の手術を受けるなど満身創痍。指揮台に立つことが困難な状態が続き、楽団員やファンも征爾さんの体調を心配していたのです」(音楽関係者)
晩年、病院で過ごすことを嫌がり、自宅療養を続けていた征爾さんの身の回りをケアし、常に寄り添っていたのは同じ敷地内に住む長女・征良さんだった。
「2021年に征爾さんの恩師の名を冠した財団が設立されると評議員に名を連ね、音楽イベントの開催を目的とする財団の理事にも就任しています。
オペラの演出を手伝っていた頃は“パパの面倒を見る優しい娘さん”という印象でしたが、いつしか征爾さんの代弁者として振る舞い、旧来のスタッフなしで自ら現場を仕切るようになりました」(小澤家の知人)
生前の征爾さんは気さくな人柄で知られ、かつては誰でも楽屋に招き入れて雑談に応じることもあった。だが、征良さんが現場を仕切るようになってからは状況が一変。征爾さんの周りを取り巻きがガードし、評論家やファンが気軽に近づけるような雰囲気はなくなったという。
さらに関係者を驚かせたのが、2021年に征良さが、エッセイストの内田也哉子さん(48才)との対談で語った家族との結びつきに関する“告白”だ。征良さんは財団の評議員になった年に発売された雑誌『クロワッサン』(2021年8月10日号)で《父が病気をしてから私の生活は激変し、父を守ることを人生のプライオリティの一番にすることにした》と表明。京都の霊媒師に聞いたという「魂のファミリーツリー」にまつわる話を披露した。
「2012年に結婚し、その後離婚した征良さんには、息子さんがいます。征良さんが対談で語ったところによれば、彼女と息子さんは征爾さんと同じ“魂の系列”でつながっていて、長男の征悦さんは征爾さんより母・ベラさんとのつながりの方が深いのだとか。息子さんと合わせて《3人で魂のチームメイト》と断言する口ぶりは、征爾さんの後継者は“自分しかいない”という強い意思表明と受け止められました」(前出・小澤家の知人)
征爾さんの知人によれば、妻ベラさんと征悦は数年前に、征爾さんの個人事務所を閉めるべきだと考えていたという。
「征爾さんが指揮を執れなくなった以上、維持費のかかる事務所は清算して、オーケストラをほかの人に任せることも考えたようです。それに猛反対したのが征良さん。世界のオザワの文化と魂を受け継ぐ使命感に燃えていた彼女は、事務所の存続を主張し、ベラさんたちと意見が割れたのです」(征爾さんの知人)
海外で活躍していた頃の征爾さんには毎年3億円近い収入があったといわれる。
「タクトを振れば1回の演奏で500万円以上が相場で、それとは別に音楽監督料や商標使用料が支払われる。さらに出演料とは別に、数千万単位のマネジメント料を受け取っていたため、事務所を清算してしまえばそれらの収入を失うことになります。
征爾さんが表に出られなくなってスタッフが次々に去った後も、征良さんは何とかして事務所を存続させようと躍起でした」(オペラ関係者)
自宅で療養を続けていた征爾さんのベッドを挟んで、征悦とベラさん、征良さんが二手に分かれて激しい言い合いになることもあったという。
家族間の話し合いは事務所の問題だけでなく、相続の話に及ぶこともあった。東京・成城の一等地に約750平方メートルの広大な敷地を所有する小澤家の資産は莫大だ。征爾さんは自宅以外にもハワイやロサンゼルス、パリやスイスなど世界各地に別荘を所有し、全盛期の資産は30億円をくだらないとみられていた。
「土地の一部はすでに妻のベラさんが譲り受けていましたが、大部分は征爾さんの名義のままになっていたんです。
きちんとしておかなければならないのは当然のことですが、時には怒号が飛び交うほどの激しい口論になることもあったそうです。征爾さんは妻や子供たちの話をただ黙って聞いているだけで、周囲はあれでは気が休まらず、治る病気も治らないと心配していました」(前出・征爾さんの知人)
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