Last Updated on 02/27/2024 by てんしょく飯
SMAPが国民的グループと呼ばれる前から裏方として支えてきた名物プロデューサーがこの世を去った。故人の願いは、いつの日か5人が再び同じ舞台に立つことだったという。危篤の知らせを受け、時間差で駆けつけた彼らは病室で何を語り合ったのか──。
兄貴分のような存在
5人の名前が一堂に並ぶのはSMAPが解散して以来約7年ぶりのことだった。2月17日の夜、54才の若さで急逝したフジテレビの名物プロデューサー・黒木彰一さんの通夜が営まれ、祭壇に中居正広(51才)、稲垣吾郎(50才)、草彅剛(49才)、香取慎吾(47才)、そして木村拓哉(51才)の供花が飾られた。
AD時代に『夢がMORIMORI』を手がけ、プロデューサーとして『笑っていいとも!』や『SMAP×SMAP』(以下スマスマ)などを担当した黒木さんは、森且行(50才)を含むSMAPの6人にとっては兄貴分のような存在だった。
「温厚な人柄で、メンバーやスタッフから“クロキン”と呼ばれていました。SMAP解散後も香取さんの『おじゃMAP』や木村さんと明石家さんまさんの正月番組『さんタク』、『まつもtoなかい』などの制作にかかわり、元メンバーと濃密な時間を過ごしてきました」(フジテレビ関係者)
白血病を患い、約2年前から入院生活を送っていた黒木さんを励ますため、中居は何度も病院を訪れた。
「2月上旬に黒木さんが危篤状態に陥った際も、香取さん、草彅さんと連れ立って面会に行っています。稲垣さんも仕事を終えた後で病院に駆けつけ、1人ずつ病室に入って会話を交わしたそうです。木村さんも4人とは別の日ですが、病院に行って最後の挨拶をすることができたと聞いています」(前出・フジテレビ関係者)
2016年12月31日に、28年間の活動に幕を閉じた国民的グループSMAP。解散後も再結成や“一夜限りの再集結”の話題がたびたび取り沙汰されてきたが、いまだ公の場で全員が集まったことは一度もない。彼らの心情を深く理解する黒木さんも、5人が再び同じステージに立つことを待ち望むひとりだった。
「スマスマのチーフプロデューサーを務め、最終回まで彼らを見守った黒木さんにはメンバーそれぞれの忸怩たる思いが痛いほどわかっていた。中居さんはSMAPできちんとした形での“幕引き”ができなかったことを後々まで悔やんでいました。
一方で、5人揃っての独立に同調しなかったことで裏切り者という見当違いのそしりを受けた木村さんのつらい立場も理解していました。黒木さんは、悲劇的な最終回を迎えたスマスマの特番を5人が再び集まる形でもう一度やりたいと考えていたそうです。中居さんたちにもその考えを伝え、実際に過去に何度かチャンスがあったようですが、実現には至りませんでした」(別のフジテレビ関係者)
通夜当日、中居と稲垣、草彅、香取の4人は時間差で斎場に入り、ほかの弔問客が帰った後もしばらく遺影の前に立ち尽くしていた。「会場のスタッフから声をかけられるまで、4人でしんみりした様子で故人をしのんでいたそうです。木村さんも当初は通夜に行くことを望んでいましたが、仕事の都合で叶わなかったといいます」(芸能関係者)
昨年4月、香取と中居の共演が実現した『まつもtoなかい』の収録現場で、香取が木村の話題に言及していたことは本誌『女性セブン』既報通り(2024年2月29日・3月7日号)。当時、プロデューサーとしてクレジットされている黒木さんは病床に伏していたが、2人の共演を誰よりも喜んでいたという。
「台本はあってないようなもので、約6年半ぶりに共演した中居さんと香取さんのフリートークにはぎこちないところもありました。次第に、かつてのような息の合ったやりとりが始まったと思ったら、香取さんが突然、木村さんの名前を挙げてスタジオに緊張が走ったのです。固唾をのんで見守ることしかできなかったスタッフも、中居さんが笑顔になったことで安堵したのだとか。
そのときの木村さんについてのやりとりは、時期尚早と考えた中居さんの判断でカットされ、後に未公開シーンが放送された回でも触れられていません。それでも、長らく不仲説がささやかれてきた香取さんと木村さんの間に、もはや何のわだかまりもないことを示す出来事でした」(前出・別のフジテレビ関係者)
名前すら口にしなくなり
小学生のときに芸能界入りし、SMAPの最年少メンバーだった香取にとって木村は常に憧れの存在だった。香取が30年以上前に木村からもらった革の財布を後生大事に持ち続けているエピソードはファンにもよく知られている。香取は木村を心から尊敬し、だからこそ共に歩めないとわかったときの失望は大きかった。
「その頃、ドラマの打ち上げの席で『正直、明日どうなるかもわかりません。もしかしたら自殺しているかもしれないですね』などと冗談めいた口調で話していたこともありました。解散を引き留めようとした事務所の幹部に対しては“もう5人ではできない”“5人ではやりたくない”と語気を荒らげたこともあったといいます。その後は木村さんの名前すら口にしなくなり、木村さんも彼らに言及することがなくなっていったのです」(前出・芸能関係者)
メンバー間に生じた大きな溝はもはや修復不可能ともいわれていた。だが、この数年の間に徐々に心境の変化があったようだ。
「2020年1月に放送された『7.2 新しい別の窓』(ABEMA)で、香取さんが当時放送されていた木村さんの主演ドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)の“三つ星ポーズ”を真似て披露。一方の木村さんも2021年12月に香取さんが一般女性と結婚したことを受け、旧事務所を通じて《めでたい! めでたい! めでたい!》と祝福コメントを発表。互いへの思いをアピールするようになったのです」(前出・芸能関係者)
昨年9月に香取が『週刊文春WOMAN』(2023年秋号)の表紙に描き下ろした“推し活”と題した絵もSMAPのファンを喜ばせた。
「SMAPのメンバーカラーである青、赤、ピンク、黄、緑の5色が使われたイラストで、中心に中居さんを表す青、その周りを木村さんの赤が囲んでいたのです。左右の瞳に描かれた一方の目に、木村さんが好きな四つ葉のクローバーが描かれていたことも意味深長でした。ここに来て2人の関係性は大きく変わりつつあるようです」(前出・フジ関係者)
SMAPが所属した旧事務所も4月から体制が大きく変わり、4人と木村を隔ててきた垣根もなくなる。香取は解散時にファンに向けて「SMAPを応援してくれた皆様をSMAPを愛してます」と綴った。恩讐を越えた“ラブコール”は木村の耳にも届いているはず。再び5人が集まる日を天国の黒木さんも楽しみにしているに違いない。
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